『肝がん予防にメラトニン』という研究結果
『肝がん予防にメラトニン』という研究結果が、岐阜大学の和田氏らの研究によって判明しました。
この研究結果は、「Cancer Science」に2024年2月14日掲載されました。
Wada, K. et al. Dietary melatonin and liver cancer incidence in Japan: From the Takayama study. Cancer Sci.115, 1688-1694 (2024).
和田氏らの研究スタッフは、以下の対象でコホート研究を実施したのです。
1992年、35歳以上で日本の高山研究に参加していた高山市の住民30,824人(男性1万4,240人、女性1万6,584人)。
追跡期間は、平均13.6年
研究方法は、、
食物摂取頻度調査票(FFQ)から入手し、食品中のメラトニン含有量の測定には液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法で導き出したのです。
メラトニン摂取の割合は・・・
- 野菜(49%)
- 穀類(34%)
- 卵(5%)
- コーヒー(4%)
メラトニン摂取の特徴は・・・
| メラトニン摂取量の多い群 | 女性が多く、糖尿病の既往歴がある 睡眠時間が短い。喫煙歴がない。 コーヒーを1日1杯以上飲む など |
| メラトニン摂取量の少ない群 | アルコール摂取量が多い |
肝臓ガンのリスクはどうだったのか?
では、「肝臓ガンのリスクはどうだった」のでしょうか?
追跡期間は平均13.6年で、189人が肝がんを罹患しました。
メラトニン摂取量の内訳は・・・
- 多い群が、49人
- 中間の群が、50人
- 少ない群が、90人
メラトニンを日頃から積極的に摂っている人が、肝臓ガンのリスクが低いことが判明しました。
さらに、、、
性別による交互作用は見られなかったため、性別に関係なく効果がある
ことも特徴的な結果です。
メラトニンを多く含む野菜・関連食材
- 葉物野菜全般: 白菜、キャベツ、ケールなど。
- 緑黄色野菜: ピーマン、ブロッコリー、カボチャ(ビタミンB6が豊富)。
- トマト: トリプトファンを含み、メラトニン分泌を促進。
- ほうれん草、黒豆: マグネシウム(メラトニン生成に必要)が豊富。
- たまねぎ、青ねぎ: 安眠効果のある硫化アリルを含む

夜には、メラトニンが含まれた食べ物を
夜には、メラトニンが含まれた食べ物を摂りましょう。
白菜やキャベツ、ケールなどの葉物野菜などでつくるサラダがおすすめ
です。
以下の記事は、以前紹介した「メラトニンの有効性」についての記事です。
とても有効なので、あらためて紹介します。
メラトニンは、免疫システムを強化する作用と強い抗酸化特性を持っています。
メラトニンは、脳内の松果体において生合成されるホルモンです。
厚生労働省では、以下のように説明しています。
松果体から分泌されるホルモン。下等動物からヒトまで、季節のリズムや概日リズム(サーカディアンリズム)の調節作用をもつ。
厚生労働省 eヘルスネット:メラトニン
また、、、
多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。

メラトニンは、免疫システムを強化し、強い抗酸化特性を持っている
人は、眠りについてから2時間から3時間ほど経過すると、人体からは成長ホルモンが分泌されます。
この、、、
成長ホルモンは、細胞を修復したり、体全体の疲労を回復させる働きがあり、免疫力と密接な関係があります。
睡眠によってストレスが解消される
お昼の日中に活溌になる交感神経と夜間に活溌になる副交感神経があります。
これは、、、
昼間の交感神経が活溌になると、血管が収縮することで血圧が上昇し、脳と体が興奮状態になります。
夜間の副交感神経が活溌になると、血管が弛緩し、血圧が下がることで脳と体は落ち着きます。
この、、、
交感神経と副交感神経の働きのよいバランスが免疫力を向上させます。
逆に、、、
交感神経と副交感神経の働きのバランスが悪くなると免疫力は下がる
のです。

メラトニンの抗酸化作用は、1分子でフリーラジカルを10個も中和することができる
メラトニンの抗酸化作用は、驚くほどのパワーを持っています。
たとえば、、、
ビタミンCは、抗酸化作用が強いことで知られていますが、1分子でフリーラジカルを2個中和できる。
のに対して、、、
メラトニンは、1分子でフリーラジカルを10個も中和することができます。
また、メラトニンはアルツハイマー病などの認知機能の低下をおさえることでも知られています。
さらに、、、
メラトニンの抗酸化作用は、ビタミンEの6から10倍もの効果があります。
そして、、、
メラトニンは、細胞内にあるミトコンドリアに入ることができる数少ない抗酸化物質であり、身体を活性酸素のダメージから守るのです。
オーソモレキュラー:睡眠とがん対策の心強い味方「メラトニン」より
このミトコンドリアの素晴らし働きに関しては、以下の記事を参考にしてください。
メラトニンは、進行性の前立腺がんの発症を75%抑えてくれる
2014年にアメリカ癌研究協会(AACR)のメラトニンの情報です。
ScienceDaily:メラトニンは前立腺がんのリスクを低下させる可能性がある
睡眠覚醒サイクルに関与するホルモンであるメラトニンのレベルが高いと、進行性前立腺がんの発症リスクが低下する可能性がある。
ことが発表されています。
それは、、、
メラトニンの主な分解生成物である6-スルファトキシメラトニンの尿中濃度と前立腺がんのリスクとの関連を調査するために、アイスランド人男性928人を対象として、2002年から2009年にかけてのコホート研究でのこと
でした。
対象者の男性928人の状態は、、、
男性の7人に1人が入眠障害を報告し、男性の5人に1人が睡眠維持に問題を報告し、ほぼ3人に1人が睡眠薬を服用していました。
さらに、、、
睡眠薬の服用、入眠障害、睡眠継続障害を報告した男性は、睡眠障害のない男性に比べて6-スルファトキシメラトニンのレベルが大幅に低かったことが判明した
のです。
そして、、、
対象者の男性928人のうち111人の男性が前立腺がんと診断されました。
そのうち24人は、進行性の前立腺ガンだったのです。
ですが、驚くことに、、、
6-スルファトキシメラトニンレベルが中央値より高い男性は、進行前立腺がんのリスクが75パーセント減少していたのです。
さらに、、、
全体として前立腺がんのリスクが 31% 減少することも判明したのです。
メラトニンは、癌に効力があるのか
ご紹介したアメリカ癌研究協会の報告やメラトニンの癌に対する研究は世界中多く報告されています。
さらに、、、
メラトニンの化学療法や放射線療法の副作用を軽減し治療効果を強化するがん治療の補助療法としての多くの研究から、米国の研究者は、患者の身体的なウェルビーイング(良好な状態)を改善するために、従来の抗がん治療とメラトニンの併用を積極的に勧めています。
名神館クリニック:もしも緩和と言われたら・・がん相談より
ではでは。
参考にしたサイト
名神館クリニック:もしも緩和と言われたら・・がん相談
ScienceDaily:メラトニンは前立腺がんのリスクを低下させる可能性がある
やさしいLPS:睡眠で免疫力がアップする!その理由と免疫力を高める睡眠のコツ
医療法人くろたに内科クリニック:メラトニン
厚生労働省 eヘルスネット:メラトニン
オーソモレキュラー:睡眠とがん対策の心強い味方「メラトニン」
メディパレット:メラトニンとはどんなホルモン?はたらきや分泌を促すポイントを紹介




